今週末は大学入学共通テストでした。
コロナ禍中での受験にくわえ、東京大学前での傷害事件、トンガ沖の海底火山爆発による津波など、思いがけないことがつぎつぎと起こりました。受験生のみなさまだけでなくご家族の方も、気が気ではなかったと思います。本当におつかれさまでした。追試験を受けることになった受験生のみなさま、お見舞い申し上げます。
こんなときにこそ、おすすめしたい多読本は…
Silas Marner
by George Eliot Oxford Bookwarms Level 4 16,065 words
19世紀初めのイングランド。中年の織物職人 Silas Marner は、若いころ教会の仲間に盗みの濡れ衣を着せられ、恋人にも去られたことから心を閉ざし、小さな村に一人で住んでいます。唯一の楽しみは、稼いだ金貨を夜な夜な数えること。
その村の大地主には2人の息子がいます。兄 Godfrey は優柔不断で弟 Dunstan は遊び人。兄に女性を紹介し父親に内緒で結婚させ、それをねたにゆすります。兄にはその女性との間に隠し子まで。借金がかさんだ弟は、村人から気味悪がられている Silas が金をため込んでいることを知り、盗み出します。
金貨を失った Silas は絶望。盗みの濡れ衣は神がはらしてくれると信じていた Silas は、とうに教会へ行くことをやめていました。金貨が盗まれたと村人へ尋ねまわるうちに、村人たちは Silas に同情し始めます。ある夫人は Silas を訪ね、息子に讃美歌を歌わせます。
人生に楽しみを失った Silas ものとへ、ある夜2歳の女の子がやってきます。大地主の兄の隠し子 Eppie でした。母親は彼女をつれて夫のところへ乗り込もうとしましたが途中で死んでしまい、Eppie は暖をもとめて Silas の家に迷いこんできたのでした。
Silas は Eppie を実の子のように育てはじめます。村人たちも Silas を手助けします。その間、実の父親である Godfrey は良家の令嬢 Nancy と結婚。厳しかった父は他界し遊び人の弟 Dunstan は音信不通となり、何不自由なく暮らしていました。ただひとつ、あと継ぎの子供を授からないことを除いて。
16年がたったある日、弟の Dunstan の遺体が金貨とともに見つかります。これがきっかけとなり、兄の Godfrey はついに娘 Eppie のことを妻に告白します。
この物語は、登場人物それぞれにとって最良の結末をむかえます。コロナ禍で殺伐とした今こそ読んで、心を暖かくしてほしい一冊です。
受験生のみなさまにとって最良の結末が訪れますように。
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