英作文で、こんな文を書きたくなることがあります。 「私は彼に一生懸命勉強することを勧めます。」 日本語から考えると、 I recommend him to study hard. と書きたくなりませんか? でも、これは基本的には使いません。 正しくは、たとえば、 I recommend that he study hard. なぜでしょう? 「recommend の後ろは that節を使うから」と覚えてしまうこともできます。 でも、私は文法を覚えるとき、 そもそも recommend って、何をする言葉なんだろう? と考えたほうがわかりやすいと思っています。 recommend の後ろには「おすすめ」が来る まず、とても簡単な文を考えてみます。 I recommend this book. 「私はこの本をおすすめします。」 recommend の目的語は this book です。 つまり、 I recommend + おすすめするもの という形になっています。 では、 I recommend him. ならどうでしょう。 これも英文として成立します。 ただし意味は、 「私は彼を推薦します。」 him が「おすすめするもの・人」になってしまう わけです。 だから、 I recommend him to study hard. としてしまうと、日本語の 「彼 に 勉強することを勧める」 の「彼に」を、そのまま recommend の後ろに置いていることになります。 すると、study hard がつながらなくなります。 recommend の後ろに置きたいのは、 誰におすすめするか ではなく、 何をおすすめするか だから、 I recommend studying hard. なら、 「一生懸命勉強すること」をおすすめしている。 そして、 I recommend that he study hard. なら、 「彼が一生懸命勉強すること」をおすすめしている。 こう考えると、形だけを暗記するより少し見えやすくなりませんか? ところで、なぜ「he studies」じゃないの? ここでもう一つ、不思議なことがあります。 I recommend that he study hard. 主語は he なのに、 studies ではなく、 study になっています...
私は最近、もしかすると日本人に受動態が分かりにくい理由は、 日本語の仕組みにあるのではないか と思うようになりました。 日本語なら、こんな文が普通に言える たとえば、 「このアプリは、100万人以上の人が使っています。」 何もおかしくありません。 少し硬い文章でも、 「この制度は、多くの自治体が導入しています。」 「この問題は、多くの研究者が指摘しています。」 と言えます。 ここで面白いのが、「は」と「が」です。 「このアプリ は 」で、まず「このアプリについて話します」と話題を出す。 そのあとに、 「100万人以上の人 が 使っています」 と、「使う人」を出すことができます。 つまり日本語では、 何について話すのか と 誰がその動作をするのか を、一つの文の中に自然に入れることができます。 だから日本語を話すとき、 「このアプリは使う側じゃなくて、使われる側だから受動態にしなくちゃ」 などとは考えません。 ところが英語では、少し事情が違います。 英語では「何を主語にする?」を決める 同じ内容を英語で言ってみます。 「100万人以上」の人を主語にするなら、 More than one million people use this app. これは能動態です。 一方、「このアプリ」を主語にして、このアプリについて話を続けるなら、 This app is used by more than one million people. となります。 今度は受動態です。 英語では、まず主語を置きます。 私は今、何について話すのか。 それを決めたあと、その主語が「する側」なら能動態、「される側」なら受動態になる。 日本語なら一つの文の中に、 「このアプリは」 + 「100万人の人が使っている」 をそのまま入れられるのに、英語では主語を決めることで、文の形も決まってくるわけです。 もしかすると、日本人に受動態が分かりにくいのは、ここなのかもしれません。 日本語では、普段そんな選択を意識しなくても話せてしまうのです。 「be動詞+過去分詞」が、かえって分かりにくかった もう一つ、私自身が受動態を分かりにくいと感じていた理由があります。 それが、 be動詞+過去分詞 という覚え方です。 もちろん、文法としてはこれで正しい。 でも私は、be動詞と過去分詞を一つのセットとして覚えるより...